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資格を取ってチャレンジ中

島由美子さん 

10年間の専業主婦生活を経て、女性のキャリアを応援する講座への参加がきっかけとなり、仕事への復帰を果たす。その後、資格取得にチャレンジ!



出会いが行動につながり、チャンスをつかむ

子どものころからおとなしく、優等生タイプだった高島さん。「女の子は短大を卒業して、少し働いて結婚するのが一番の幸せ」と言う親の言葉どおり、第1子出産を機に退社し家庭に入りました。手のかかる長男に、手探りでの子育て。次男の入園から地域活動で外へ出るようになったものの、その間、長い専業主婦生活を送り、気がつくと10年経っていたといいます。

 ある女性の一言が忘れられなくて、外の社会に目を向けるようになったころのこと。彼女はきっかけを得て、愛知県助成事業「レッツチャレンジ!始めの一歩〜多様なキャリアが社会を変える」に参加しました。「今までの講座は子どもに関することばかりだったのですが、この講座では、自分自身を見つめなおし、自分自身のことを考え、自分のために学び、自分のために時間をかけるという講座で、なんて楽しいんだろうと思いました。充実した時間でした」と振り返ります。キャリアという言葉からは仕事をイメージしがちですが、「今まで生きてきたあなたの人生全てがキャリアなんだよ」というメッセージに、心底、救われたのです。それは本当に、自分のために過ごせた時間でした。この講座をとおして何かやってみようという気になり、行動に移した高島さんは、NPO法人参画プラネットが指定管理者をしていた名古屋市男女平等参画推進センターのスタッフへエントリーし、働く道を選びます。

資格を取得

働き始めて1年経ったころ、センター来館者の紹介で、「愛知県立名古屋高等技術専門学校子育て支援プログラム、マザーズビジネス科」を受けることに。愛知県のチャレンジ支援事業の一環で、子育てや介護のために仕事から離れていた人を対象に、パソコンの資格を取るためのプログラムです。高島さんはその第1期生となりました。3ヵ月半から4ヶ月弱の期間、月曜日から金曜日までの午前中3時間の講座へ、毎日通ったのです。「1ヶ月でブラインドタッチもできるようになり、「ワード・スペシャリスト」「エクセル・スペシャリスト」「エクセル・エキスパート」の3種類の資格を取りました。もちろん履歴書にもかけます」と、資格取得は自信にもつながりました。その頑張りは、子どもにも良い影響が。母親の一生懸命な姿は、子どもたちの刺激になったようです。現在は、その資格を生かし、職場で会計処理を行うまでになりました。

働き始めて、私も、夫も、子どもも、変わった!

「本当に昔の自分は、ダメだった・・・」と、思い返せば依存心が強かったという高島さん。お姉さんや夫に依存してばかりいた高島さんは、働き始めて自分で考え、決断するようになったと言います。社会の一員として働くということは、社会とつながること。身近な人だけにではなく、自分の存在がわたしとして社会に認められるという実感を持てるようになり、まずは自分が変わりました。そして子どもも、一生懸命に働くお母さんを認め、優しい言葉をかけてくれるようになりました。高島さん自身が自分で物事を考えるようになったことは、子どもにも影響を与えます。やり場の無い気持ちをどこに向かわせるかを子どもなりに考えるようになり、気持ちをコントロールできるようにもなったと、高島さんは2人の息子の成長に目を細めています。さらに夫も、自分で行動をするようになった高島さんに対して、「やってあげなきゃ」から「自分でできるよね」という姿勢に変わり、愚痴もこぼしてくれるようになりました。

今の私は…

高島さんは「今の私」を、「家庭人として」「地域活動者として」「私自身として」「職業人として」と、4つに整理して受け止めています。

1つ目の「家庭人として」は、妻として、母としての私です。子育てとは、究極には子どもの自立が目的であり、自分自身で考え、行動できる子どもに育って欲しいと考えている彼女。「働き始めたことが、子育てにも、すごくいい影響を及ぼしていると思います。自分で何でもするようにならざるを得ないですから。以前の私だったら、こんなこと一人でやらせなきゃいけないのはかわいそうだと思っていたけれど、今は自分で生活していく術を学んでいるのだと思えるようになりました。人を思いやる気持ちも生まれてくるのを感じるようになりました」とのこと。そして、出張の多い夫とは、コミュニケーションを大切にしたいと微笑みました。

2つ目は「地域活動者として」の自分。PTAや子ども会などの活動を続け、今は体育委員として関わっているそうです。例えば大きな災害が起こったときでも、地域社会とつながっていることが大事。地域の活動も、少しずつでも続けて、自分にできる役割を果たすことでつながっていたいと思っています。

そして3つ目の「私自身として」。最後は誰でも「おひとり様」になるのだから、孤独を楽しめる自分になることが目標です。「夫婦で生きていても、最後は一人になることを考えますね。あと数年で子どもも巣立っていきますから、自分の自立とか、介護や老後のことなど、常に考えるようになりました。年配の人に聞くと、孤独がとても辛いのだそうです。そこを乗り越えるのが大変。でも今から少しずつ考えていけば、また違う人生が開けていくのかなと、最近思うようになりました」。そんな高島さんの趣味は、サッカー観戦と書道。これらは老後の楽しみとして、細々と続けていきたいと考えています。

最後に「職業人として」。これは、社会的役割の一部を担っている自分です。経済活動とともに、自分の仕事が社会に役立っていると確認できる自己承認の場でもあります。この4つの自分が、全部今の私。身近な人に認められるものと、社会の一員として認められるものの両方が必要だと思っています。

いつも前向きに、プラス思考で。少しずつしつつチャレンジしながら生きていきたい

最後に、田坂広志さんの『未来を拓く君たちへ』の中から、「人生において「成功」は約束されていない。しかし、人生において「成長」は約束されている。」という言葉を紹介してくれました。「本当に、成功は約束されていないけれど、いつの時代でも自分は少しずつ変わることができる。この言葉が、大好きです」と語る高島さんからは、前向きに「今の私」を大切に生きている様子が伝わってきました。


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