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ロールモデル(4)

平井聡子さん  HAPPY SMILE

大手化粧品会社で14年間勤務。社内外向け講座の講師や、名古屋地区のマネージメントを担当。出産を機に退職。2児の子育てに専念するかたわら、色彩検定1級、アロマテラピーの資格を取得。
2007年6月、今までの経験、趣味を活かし、女性のための美容講座講師として再チャレンジを果たす。


キャリアカウンセリングをきっかけに、「講師」として再チャレンジをはたした「HAPPY SMILE」の平井聡子さん。
出産退職をされるまで大手化粧品会社で14年間勤務し、その間に培ったメイクやカラーのスキルを活かし、また趣味のフェイスヨガも加え、さまざまな女性の立場に応じた美容講座を行なっています。


会社選びの決め手は「メイクがすき!」


なにより「メイクが好き!」という理由で、大手化粧品会社に入社した平井さん。たくさんの店舗でメイク、エステ、化粧品の販売をしてきました。転機は入社10年目。社内のメイクアップコンテストの東海代表に選ばれます。メイク技術はもちろん、接客に関する役員との質疑応答などの審査を経て、なんと全社における最優秀賞を受賞することに。それからは社内の販売員、化粧品取扱店向けのセミナーで年間100回以上の講師をし、また名古屋地区の社員100名のマネージメント業務も担当してきました。「化粧品会社ですから女性社員が多いのはもちろん、女性管理職もたくさんいました。女性を大切な戦力としてみなし、数字だけではなくさまざまな面から評価もしてくれましたし、女性社員が出産などの理由で退職することないよう、仕組みも整っていました。」

恵まれた職場環境ではありましたが、いざ妊娠がわかると、会社を続けるかやめるかすごく悩みます。「仕事は続けたい。でも仕事の形態としてどうしても夕方からが忙しい。家族の援助は不可能・・・etc」結局、やめることを選択。妊娠6ヶ月で14年間働いてきた会社を退職しました。仕事は好きで続けたかったけれど、反面、一度やめて、リセットするのもいいかもしれないという思いもあっての退職でした。


「マタニティブルー」からの脱却

長女を出産してからの3ヶ月間ほどは、今まであじわったことのない憂鬱との戦いだったと、当時を振り返ります。「いわゆるマタニティブルーというものだと思います。子どもはかわいいし、自分の手でしっかり育てたいという気持ちでいっぱいなのに、ただ子育てだけをしている自分が惨めな気がして涙が止まりませんでした。何度、心療内科に行こうと思ったことか・・・。」

そんなとき、今の自分の嫌なところ、好きになれないところを紙に書いて丸めて投げていると、いろいろなことが整理されてきたといいます。結局、「自分には目標が必要だ」ということに気づき、いままで仕事や出産でできなかった資格取得に向け、計画的に勉強を開始しました。ただ、勉強を始めた頃は「稼いでもないのに・・・」という遠慮があって、資格取得のために学校に通いたいという思いは封印していました。

しかしその後、会社の同僚であったパートナーが夢を追い求め大リーグのトライアウトを受けるために渡米。「会社に勤めていても夢を持ち続けていたんだ。夫が納得するまで、応援してあげよう。だから私も応援して。」と思えるようになり、パートナーに育児を頼んで週一回、資格取得のために学校に通いました。「会社で働いていたときは、常に目標を決め、それに向かって仕事をしていましたから、その習慣が身についていたんですね。資格取得という目標達成のために、がんばる毎日に変わっていきました。」


「キャリアカウンセリング」との出会い

計画的に資格を取得したものの、夫の転勤は多いし、子どもも小さいので、どうやって会社に就職したらよいのだろうかと、悶々とした日々を過ごしていた平井さん。なにか再チャレンジのヒントはないかと、託児付の講座や講演会などに積極的に参加します。そんなとき、キャリアカウンセリングに出会いました。このキャリアカウンセリングが、「講師」として再チャレンジしてみようかと考えるきっかけになったといいます。「3人のキャリアカウンセラーの方にアドバイスをいただきました。自分のことを客観的に整理することができ、本当にやりたいことが具体的になってきました。そして実行に移せるよう背中を押していただいたと思います。」

その一つが、「経歴書と講座の提案書を作成し、いろいろなところに送ってみたら」というアドバイスです。会社勤務時代に入社試験の面接官を努めた経験から、第一印象美人になるためのメイクや面接対応の講座を公的機関に持ち込んだところ、「こんな講座がほしかった」との回答をいただき、初めて「HAPPY SMILE」としての仕事が決まりました。
また、つながれっとNAGOYAの「つながれっとまつり」にも企画を提出。選考の結果、企画が採用されました。時期的にはこの「つながれっとまつり」が、「HAPPY SMILE」としての初仕事となりました。


「つながれっとまつり」での再スタート

「つながれっとまつり」での美容講座の講師は、今後のためにとても良い勉強になったといいます。
「いままで会社の社内向けセミナーで講師を何回も経験していたので、セミナーをすること事態には不安はありませんでした。ただ、会社時代はたくさんのサポートスタッフがいて、自分はただ講師をすればよい立場でしたが、これからは参加費の集金から、メイク用品の配布など、すべて自分でこなさなければなりません。自分が考えていた時間配分や準備では足りないところもあることがよくわかりました。」そんな反省をする平井さんですが、この講座終了後に次に予定されていた講座の紹介をしたところ、その場で申込をされた方が数人いたとのこと。なんともうれしい、次につながる再スタートとなったようです。


将来の夢

「いつか、自分のアトリエを持ち、一対一でアドバイスしたいですね。」会社勤務時代は、化粧品の売買が基本ですから、お客さんサイドに「なにか売りつけられるんじゃないか?」という警戒心があるように感じられ、どうしてもお客さんの悩みの本質を聞きだすことができなかったといいます。

「化粧品はどんなブランドのものでもかまいません。お客さんの悩みに応じて、いま手持ちの化粧品を使い、メイクなど自分の持っているスキルを伝えていくことができたらと思っています。商品を扱うとなると在庫のことも考慮しなければなりませんからね。人は外見がすべてではありませんが、まずは外見から入り、それが自信となり内面まで浸透し、さらに魅力的を増すという面もあると思います。そんな魅力を引き出すために、自分のもっている知識を伝えることができたらと思っています。」と語る平井さん。

将来の夢に向かってスタートしたばかりですが、講師を務めた講座が好評で、次の講座の予定が入るといった順調な滑り出しのようです。また、名古屋工業大学の教授が研究している指紋、顔などの認証システムを利用したネット上で肌診断をするプロジェクトにも参加。平井さんは肌診断のためのデータ作成や、美容コラムを担当することに。今まで培ってきたスキルが、美容講座にとどまらず、新しい分野へと広がろうとしています。今後のご活躍がますます楽しみです。

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