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論文執筆にチャレンジ

伊藤静香さん  NPO法人参画プラネット  常任理事

プロフィール
短大卒業後、商社に就職し、結婚のため退社。結婚後は専業主婦として、家事、育児に従事。仕事に忙しい夫、核家族、夫の転勤に伴う見知らぬ土地での子育てに自信をなくしかけていたころ「親業訓練講座」に出会い、「育児=育自」を実践。その後インストラクターの資格を取得し、子育てやコミュニケーションに関する講座講師を務める。同時に女性の自立と支援を目指したNPO法人の活動に参加し、2003年名古屋市男女平等参画推進センター(つながれっとNAGOYA)のスタッフとなる。
2005年夏、夫の仕事の都合でカナダへ。2年間のカナダ生活では、日系コミュニティ支援をするジャパニーズ・ソーシャル・サービスでのボランティア活動や、アダルトESLスクールで英語を学びながら、インターネットを駆使しての在宅ワークで参画プラネットの活動も続ける。2007年夏、帰国。

―あなたが、チャレンジしたのは何ですか?

国立女性教育会館(以下、ヌエック)研究ジャーナルへの投稿論文として
「実践事例研究」を執筆しました。


―論文執筆にあたり、どんな準備をしましたか?

まず「論文とはどんな書き方がされているのか」を知るために、女性学に関する論文をいくつか読むことから始めました。
海外在住だと現地で日本語の専門的な文献を手に入れることは難しいので、インターネットで購入し、
日本から送ってもらいました。
また、今までに書かれたヌエック研究ジャーナルもウエブサイトで読みました。
ITのグローバル化で海外にいても日本にいるのと変わりなく情報を手に入れられる時代になったことを実感しています。


―執筆にあたっての苦労はありましたか?

20,000字もの文章を書くのは初めてでした。書いても書いても、まだ終わらないような気がして、本当に書き上げることができるだろうかと不安になる時がありました。
幸い時間だけはたっぷりありましたので、毎日執筆に没頭できました。
書いた内容が独りよがりにならないように、参画プラネットの仲間や夫に読んでもらい、感想やアドバイスを聞いて書き直すということを繰り返しました。
論文執筆を通して、唯一身近にいて日本語で相談できた夫の存在は大きく、感謝しています。

書き上げるまでは大きな荷物を背負っているようで、書き上げたときの解放感はなんとも気持ちのよいものでした。
カナダから国際郵便がちゃんと日本まで届くかどうか心配で、まだ終わった気分にはなれませんでしたが、ちゃんと届いたとわかったとき、初めて「これで完了」と晴れ晴れした気分になりました。


―掲載審査を待つ間の気分はどんな感じでしたか?

論文を書きあげたことで、すべての整理がつき、とてもさっぱりした気分でした。
ただ、事例はわたし一人のものではなく、仲間との共有財産だと思っていたので、この論文が認められたらうれしいなあという気持ちはありました。


―掲載決定の知らせをもらったときの気分はどんなでしたか?

「やった〜!!!」と叫びながら、まだベットに眠る夫をたたき起こしていました。
眠気眼の夫は「あ、そう」とだけ。夫のブログによると、彼は後に「もっと一緒に喜んでやればよかった」と後悔しています(笑)。
事例報告論文が評価されジャーナルに掲載されることによって、自分たちの活動がいろんな方々に知っていただける機会を得られたことが何よりうれしく思いました。


―論文に挑戦したいと思っているみなさんへ一言。

「論文は研究者が書くもの」と思われがちですが、実践者として「書きたいことがある」という気持ちがあったので論文を書き上げることができました。


―ありがとうございました。

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