わたしをつくる、仕事をつくる、社会をつくる。
      ホーム  サイトマップ  お問い合わせ
国立女性教育会館主催 
男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム ワークショップ
2010年8月27日(金曜日)から8月29日(日曜日)までの3日間、
国立女性教育会館(NWEC)において
平成22年度「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」が開催され、
NPO法人参画プラネットは、募集ワークショップに参加しました。

タイトル:「DV被害者のための「暮らし復興」プロジェクト報告会」
日時:8月27日(金曜日)

ワークショップ 
「DV被害者のための「暮らし復興」プロジェクト報告会」

 参画プラネット主催のワークショップは、8月27日(金)、NWECフォーラムの初日に開催致しました。当フォーラムへの参加は今回で4度目。北海道から九州まで、全国45名もの方が会場へお越しくださいました。さまざまなワークショップが開催された中、関心を持って足を運んでくださった方々に、まずはお礼申し上げます。

 さて、「DV被害者のための「暮らし復興」プロジェクト報告会」と題したワークショップでは、冒頭に中村より、団体紹介と、今回のプロジェクトの概要をお伝えしました。
報告会の背景として、参画プラネットは2009年度に、3つの助成金を受けて、DV被害者を支援するための事業を実施しました。それぞれに被害当事者へのアプローチの手法や支援の視点を変えて、異なるプログラムを提供しています。その中から、今回はあいちモリコロ基金をいただいて実施した事業を、報告の中心に取り上げました。タイトル中の「DV被害者のための「暮らし復興」プロジェクト」というのが事業名です。事業内容は、主に被害当事者を対象に、就業を含めて生活再建への足がかりを目指した連続講座「わたしの暮らし発見塾」と、被害経験者からの個別のヒアリング調査「暮らし復興調査」の2つ。このうち連続講座「わたしの暮らし発見塾」については、すでに団体の管理しているホームページ「つながれっとクラブ(http://tsunagalet-club.net/ )」で事業報告を載せております。今回のワークショップでも詳細な報告は割愛しましたが、ご関心のある方はぜひ、そちらをご覧いただければ幸いです。

 続いて、今回のワークショップのメインとなる「暮らし復興調査」の報告を、調査の全体に中心となって関わった愛知県立大学非常勤講師、山口佐和子さんにお願いしました。報告書にまとめたこの調査についての報告会を行うのは、今回が初めてです。山口さんは、ご自身がアメリカでDV調査を行った際の事例をもとにした日米の比較や(これについては著書『アメリカ発DV再発防止・予防プログラム−施策につなげる最新事情調査レポート』:ミネルヴァ書房が参考になります)、差し支えのない範囲での、被害当事者の具体的な状況や肉声をデータの補足としてお話しいただき、1時間という短い時間の中で、非常に盛りだくさんの内容でした。参加者からの質疑応答も、30分では時間が足りないほど。皆さんの関心の広さと深さを感じました。DVという課題への多様なニーズを反映しているとも言えるでしょう。加えて、全国からの参加者をいただいたことで、各地での事例や情報提供もいただけたことにはとても感謝しております。こうした全国区でのフォーラムならではのやり取りだと感じ、非常に嬉しく思いました。
 お話の中では特に、調査において留意した点として、被害当事者と面談をするにあたり、各地の女性/男女共同参画センターとの細やかな連携が安心感を提供できたというコメントが印象的でした。また、調査結果の報告の中で、被害者が救済されるべき場所での心ない言動や対応によって傷つけられてしまう、いわゆる「二次被害」の問題が深刻に残っていることが明らかになっています。特に早期のうちに被害に気付くことのできる、医療、福祉、教育、行政などの関係機関における情報の共有や専門的な知識の必要が改めて浮き彫りになったことも、今後の課題としてより広く共有したいところです。

 今回のワークショップは、参画プラネットにおいても活動の「これから」を考える上で多くの示唆をいただきました。また、ご参加いただいた皆さまとの今後のご縁やつながりも、継続していければ幸いです。重ねて、お礼申し上げます。(中村奈津子)

参加者からの感想(公開可とお答えくださった方のみ)
・ 「暮らし復興」というタイトルにひかれました。実際に彼女たちにとって有効な支援を具体的にお話しいただければもっとよかったなぁと思いました。
・ 二次被害を完全になくすことは極めて難しいことと思われますが、極力少なくするための対策としては、単なる研修の義務化ではなく、繰り返し研修を受ける体制を作り上げなければならないと思います。
・ DV被害女性のための暮らし復興のタイトルにひかれました。これからは加害夫のプログラムと、DVの被害女性の社会参加だと思っています。
・ アメリカの事例を通し、日本との大きなギャップを感じた。やはりまだまだ啓蒙活動を広範囲に(年齢問わず、性別問わず)行う必要がある。
・ 仕事に役立つ情報がいろいろありました。具体的に使える制度がもっと充実するように活動していきたいと思います。
・ 中村さんの3つのプログラムの関係について、もう少し丁寧に教えていただきたかったです。
・ 私は結婚前の実父が今振り返るとDV加害者だったのですが、子どももその現場を見てるだけでもDV被害者であると、本当に思います。デートDVなども聞きます。DV被害も早いと戦略も早めに立てられるので、どんどん情報を発信して欲しいです。


                        ページのトップに戻る